――中川さんは『天元突破グレンラガン』を毎週ご覧になっているんですよね。いかがですか? 自分で歌われたオープニングテーマは。
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中川 日曜の8時30分になった瞬間に、ギターの音が「ガガガ」って流れて『グレンラガン』のロゴが出て、自分の声が聞こえてくるじゃないですか。最初は「ぎゃあ!」って驚くと思ったんですけど、実際にテレビを通して聴くと、自分の声だとは思えなくて。緊張もせず、自然に楽しんでいます。おかげさまで、いい目覚めができています(笑)。
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――レコーディングのときは、実際に放送されるまでは信じられない、とおっしゃっていましたが。
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中川 やっぱり、いまだに信じられないんです。自分の声だと思えないし、ぴったりと合う画がついているから、すごく落ち着いて見ることができるので。ちゃんと『グレンラガン』のオープニングテーマになっていて。すごくうれしかったです。
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――中川さんが歌っていることで、驚いたファンのかたも多かったんじゃないかと思うんですが。
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中川 「しょこたんかよ!」ってがっかりする人がいたらどうしようって、すごく緊張していたんです。私自身も『グレンラガン』というすばらしい作品に、余計な要素を入れることになるのは、イヤだったし。すんなりハマるようなオープニングテーマを歌いたかったんです。
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――レコーディングはいかがでしたか?
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中川 ロックを歌うのは初めてでしたし、ボイストレーニングをしたこともなかったので……ディレクターさんに「サビの『♪きづいていく~』の「づ」と「く」の部分だけを裏声で」といわれても、できないよ~! って感じだったんですけど、何度も録りなおさせていただいて、がんばりました。
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――「空色デイズ」のテレビCM放映も開始されました。ヴィラル役の檜山修之さんが「中川翔子!」と叫んでいますね。
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中川 ありえないですね。うれしすぎる。でも、最初はヴィラルにハマると思っていたんです。ところが放映がはじまってみたら、カミナに夢中ですね。
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――カミナ好きですか。
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中川 私、カミナ大好きなんですよ。カミナひと筋! 最初にカミナの設定画を見たときに、きっちり乳輪が描いてあるのがいいんです(笑)! とくに第一部の最後となる7話、8話のアツさといったら、アニメ史上の三本指に入るくらいでしたよね。6話の温泉の回もすっごいエロエロで(笑)。そこがいいですよね、男らしいキャラが大好きなんです。
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――だけど、そんなカミナも……8話でお別れになってしまいました。
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中川 悲しいですよねえ!!!
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――空色デイズのカップリングの「happily ever after」の歌詞は、カミナのことを歌っているような気がします。
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中川 「happily ever after」の楽曲はロックでカッコいいのに、歌詞はものすごくセツナいんです。歌詞をみたときに、「なんて、いい曲なんだ」と思って。歌えるのがうれしかったです。歌詞には、乗り越えようとしても、乗り越えきれない哀しさがつづられていて。自分もこのあいだ家族同然のネコをなくしたんですけど、大切なものを失ったときの想いが感じられて、すごく大事にしたい曲だと思ったんです。「空色デイズ」といっしょに、普段からずっと聴いています。
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――「happily ever after」は11話の挿入曲として流れましたね。
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中川 スタッフ、キャストのみんなが、良いアニメをつくろうとしている中で、ものすごく大事なシーンで流れる曲なんで、責任は重大ですね!
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――8話が終わり『グレンラガン』も第二部に突入。オープニングの映像が変わりましたね。「空色デイズ」に新しい一面が広がったような気がします。
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中川 私も「空色デイズ」の歌詞が、主人公のシモンにもっとあってきたような気がするんです。カミナを失ったあとに、シモンが奮いたてて走り出さなければいけないっていう感じに見えるのが、うれしいですね。
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――さらに「空色デイズ」のPVも発表。中川さんはパラシュートにギターを持って出演しています!
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中川 最初、PVの監督に「空を翔ぶよ」って言われて、何がなんだかわからなかったんです。そうしたら、スタジオに巨大なパラシュートが広がっていて。「ジュリーだ、ジュリーだ!」って言われたんですけど、私よく知らなかったんですよ(笑)。沢田研二さんが「TOKIO」でパラシュートを背負いながら歌っていたんですよね? とにかく、収録のときは驚くことばかりで、デニムを履いて、ギターを持って、映像に出たこともはじめてだったし。はじめてづくしで、どんな映像になるのか想像もつかなかったんですけど、実際に映像を見てみたら、お父さん(父は美男子シンガー中川勝彦)にそっくりだったんです。
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――ギターを持って、弾いていますね。
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中川 よくわからなくて、弦のへんなところを押さえていたら、ごめんなさい。手もぐるぐる回しちゃいました。楽しいPVでした。
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――CDの「グレンラガン盤」のミニ写真集では……ヨーコのコスプレをしているそうですね。
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中川 「ヨーコのコスプレなんて、絶対ムリです!」って言ったんですけどね(笑)。ヨーコはおっぱいだけじゃないですよ! くびれもお尻も全部がナイスバディなんですよ! 私なんかでいいのか、ちょっと心配です。胸を寄せて、がんばりました(笑)。
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――ロックといい、PVといい、中川さんは今回の「空色デイズ」で新境地を開きましたね!
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中川 今回ははじめてロックを歌わせていただいて、ここまでお腹に力を入れて歌ったことがなかったですし、「しょこたん」というより「中川翔子」そのものがはじめて挑戦するような感じで、良い曲を歌わせていただいて、ありがたや~です。もっとロックを歌いたいって気持ちがでてきました。
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――今後はどんなことをしてみたいですか?
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中川 もっとアニメの主題歌を歌ってみたいんです。「空色デイズ」みたいなカッコいい歌をもっと歌いたいですし、魔女っ子モノのかわいらしい歌も歌いたい。もっと必殺技を叫ぶような歌も歌ってみたいです。
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――楽しみにしています! さて、きっと「空色デイズ」を聴いている人には、中川さんみたいに歌いたい人もいらっしゃると思うんです。「空色デイズ」を歌うコツは?
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中川 その質問自体がうれしいです(笑)。うわー、私のように歌いたい人って! えーと、私は腹筋が弱いので恥ずかしいんですけど、お腹に力を入れて叫ぶ! 「♪はしりだした~」というサビの部分は「♪は・し・りだした~」と「し」の部分に、大筆で墨汁をボトっとたらすように、どんと置く。「♪きづいていく~!」で裏声! ブリッジの部分は、かがんで歌っちゃうくらい。全身で歌ってほしいです。
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――中川さんお気に入りの「happily ever after」を歌うコツは?
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中川 やっぱり、歌詞を感じながら歌ってほしいんです。すごくセツナくなると思います。この曲は歌いかたによって、ずいぶん変化する曲なんです。ロックっぽく歌えば、力強さが出るし、しっとりと歌えば、世界が広がりますから。
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――さて、『グレンラガン』のスタッフ側のひとりとして、中川さんが考える『グレンラガン』のおもしろさとは?
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中川 ひーっ。重責! えと……『グレンラガン』はすごく細かいところまでつくられている作品なんです。何度も見直すと発見があるはずですし、たくさんの伏線がちりばめられていて、いつも「そーくるか!」と私も驚かされています。スタッフ一同全力でつくっている感じが伝わってきますし、“アニメを見て興奮する感覚”を味あわせてくれるんです。アツくなって、興奮して、セツナくなって。いろんな感情を楽しんでください。4部構成ということなので、今後はどうなるのか……私も楽しみにしています! |